国際eスポーツ医学会 理事長
20世紀後半から21世紀初頭にかけて、新たにeスポーツというものが生まれました。 eスポーツは、一娯楽として始まったビデオゲームが技術革新と研鑽を経ることで、エンターテインメント性と競技性を高め、多くの人を熱狂させることで世界中に広がっていきました。 その発展は、eスポーツをエンターテインメントとしてだけではなく、脳の認知機能を高めるなど医学的な恩恵をも私たちに与えてくれています。 私たちは先人たちが築き上げた科学進歩のおかげで長寿となりましたが、それと同時に、いかにして健康でその生を全うするかという新しい問題を多く抱えるようになりました。 その問題を解決するための新たな切り口として、eスポーツが脳機能に対して与える影響や心身に対しての働きを究明し、健やかな長寿のために邁進してまいります。 みなさまのあたたかいご支援やご理解を賜りたく存じます。
精神医学の領域においてもeスポーツの精神的健康や認知機能への効果に関する知見が蓄積されつつあります。特に、eスポーツを介した他者との コミュニケーションによる孤独感の軽減効果が報告されており、孤独が問題となっている現代社会において、多くの人のウェルビーイングの向上に 貢献できる可能性があります。われわれは、強い孤独感を持つ高齢者において海馬や視床の体積減少がみられることを明らかにしており、 eスポーツによる孤独感の軽減効果と脳への影響について研究を進めたいと考えています。本学会を通じて、このような研究の発信と 研究ネットワークの形成、社会実装の推進に取り組んでまいります。
国際eスポーツ医学会 理事
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