eスポーツやヴィデオゲームを行っている場合、勝敗がかかっているため 画面を凝視することから、瞬きが極端に少なくなり、通常のパソコン操作に 比べても重度な「ドライアイ」になります。 ご承知の通り、角膜への栄養補給はその大部分が瞬きにより行われており、 ドライアイによりその供給が断たれると角膜が劣化し、視力低下の原因と なることが知られています。 また、eスポーツの影響だけではありませんが、最近は、子供のいわゆる 「スマホ斜視」も問題となっています。 普通のパソコンやテレビに比べ画面の小さなスマートフォンの場合には、 近い位置の小さな画面を眼を凝らして「過度な寄り目(輻輳)」で 見つめてしまうことにより、大きな眼の疲れが生じてしまいます。 そのため子供は、片方の目だけで画面を見てしまう(左右の目で 別々ものをみてしまう)クセ、つまりスマホ斜視となってしまうわけです。 またパソコンなどの比較的大きな画面の場合であっても、近視の子供の場合、 遠くを視るための近視用のメガネを装着してプレイを行ってしまうことにより、 さらに近視の度が進み、ひどい場合には眼球が縦長に変形してしまうことも 確認されています。 本学会では、眼科専門医の指導のもと、眼鏡作製技能士等と共に、 斜視になりにくい輻輳を緩和する眼鏡や近視の子供のための近くも 無理なく見える眼鏡を開発中で、完成後は同緩和効果の治験を行います。 一方、ドライアイ、眼精疲労や近視の予防のためには眼薬やサプリメントも 有効とされており、より効果的な眼薬やサプリメントの有効成分の研究と、 その治験を進めています。
eスポーツプレイに伴う、激しく高速な指先の使用に伴い、指先や腕に腱鞘炎が生じることがあります。腱鞘炎を起こしにくいキーボードやマウス、アームレストの開発も 必要ですが、当学会では、腱鞘炎を起こしにくくするサプリメント、あるいは痛み(炎症)が起こった際に、より効果的に、その炎症を止める薬剤などについて、 研究及び治験を行っています。
eスポーツというよりも主にヴィデオゲームですが、朝から晩まで寝食を忘れてプレイにのめり込むケースがあります。その場合に救いとなるのがeスポーツのチームです。 eスポーツは対人の団体戦であり、チームメンバー全員が集まれる時間でプレイ行う必要があることから、一人でプレイする場合と比べ、過度な長時間の連続プレイを 避けることができます。現在、単独でヴィデオゲームにのめり込まれている方をeスポーツチームに誘うことにより、長時間連続プレイの抑制はもちろん、チームでの 共同作戦によりプレイの内容を深め(高得点を得つつ)、社会性を育むことができます。そのような側面についても研究を進めています。同時に、精神的な緊張を緩和し、 心の疲労を軽減するためにはサプリメントが非常に有効です。こちらについても研究及び治験を行っています。
サイト内の画像その他、コンテンツの無断転載を禁止します。
©2022 International Society of Esports Medicine,All rights reserved